2019年05月

2019年05月30日

阿蘇 スズラン

スズラン やっと阿蘇の地で巡り合えた・・・ 感謝感激雨霰
今回の阿蘇山行は、ミヤマキリシマはもちろんのことだが、第一の目的は、スズランであった。
幼少のころ、北海道で見た切り、ご無沙汰のスズランである。スズランには、いろいろな思い出があるのだが、それは、後日ということで・・・

スズラン(阿蘇20190526)No9

本来であれば、北海道や本州中部以北の高原にしか咲かないと言われているスズランが、まさか、九州、阿蘇の地に、自生し咲いているとは、夢にも思っていなかった。
数年前より、阿蘇の波野に咲いているということを聞き及び、行こう行こうと思っていたのだが、5月は、キンラン、ギンラン、エビネ、クマガイソウ…etc. あちらこちらの山を駆け巡り、6月に入るとミヤマキリシマ詣りとなる。一息ついた頃には、スズランの季節は終わっていて、またこの次だなぁ・・・その翌年も同じようなもので、来年こそは・・・そして次の年も・・・といった具合で、いつもなおざりになっていたので、今年はカレンダーの5月に「5月末、スズラン」と大きく書き記しておいたのである。

スズラン(阿蘇20190526)No15

スズラン(鈴蘭) ユリ科 スズラン属 多年草 4~6月 
山地や高原に咲き、高さ10~18cm。葉は2枚根生し、裏面は粉白色を帯びる。花茎は20~35cmで、10個ほどの花を総状につける。花は芳香があり、白色、径約1cm程の広鐘形で6裂し反り返る。果実は液果で赤く熟す。

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阿蘇市波野のスズラン自生地は、いかにも阿蘇らしい高原の一角にある。

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ここの駐車場は、一風変わっていて、一本の大きな木を中心にして、内外円上に駐車できるようになっている。なかなか面白い造りだなぁと思った。

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駐車場周辺には、ヤマボウシの花も咲いている。

目を凝らすと、斜面のいたるところに、白く小さく可愛らしいスズランの花が顔を出している。

スズラン(阿蘇20190526)No18

スズランの別名としては、花が葉の影に隠れることを控えめな美しさから、「君影草」、山間の谷地に咲く事が多い事から、「谷間の姫百合」といったものがあり、可愛らしく、清楚な美しさにふさわしい呼び名だなと思う。

スズラン(阿蘇20190526)No3

他の山野草と違い、葉よりも低い位置に花が咲くというのは、とても面白く奥ゆかしい咲き方である。「君影草」なんて、良い名前だなぁ・・・

スズランの花の咲き方は、大好きなバイカイカリソウに似ている気もするが、バイカイカリソウは、葉の上に突き出して咲いており、自己主張がスズランよりは強めである。スズランのほうが奥ゆかしい。

スズラン(阿蘇20190526)No11

地下茎の部分を乾燥させたものは「鈴蘭根」と呼ばれ、かつては利尿薬や強心剤として用いられていたそうだが、過剰に摂取すると心不全を起こすなど、強い毒性をも持つ事が知られるようになり、現在では利用されなくなっているとのことで、「綺麗な花には、棘がある」といいますが、「可愛い花には、毒がある」ということでしょうか?

スズラン(阿蘇20190526)No2

地下茎以外の部分にも毒性が有るとのことで、その扱いには十分な注意が必要とされている。可愛らしい見かけによらず、恐ろしい一面を持った花である。

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気持ちの良い、阿蘇の高原
斜面の途中に、なぜか三角点もあった。

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この高原には、カノコソウも咲いている。

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シライトソウも咲いていたのには驚いた。

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しかし、何度見ても、清楚でかわいらしい花だ。幼き日の思い出と重なり合って、心に染み入る花である。

スズラン(阿蘇20190526)No17

スズランの花言葉としては、「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」などがある。どれもこれもスズランの可愛らしさを的確に表現できていてしっくりとくる。

スズラン(阿蘇20190526)No14

時間にまだ余裕があったので、帰りに、小国の鍋ケ滝にも寄ってきた。

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久しぶりの鍋ケ滝だったが、駐車場も整えられており、小綺麗になったなぁ・・・と思っていたら、入場料を取るシステムになっていた。

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滝裏から見る風情も、いいもんだねぇ・・・

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観光客も多くなっており、維持費もかかるんだろうな



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2019年05月28日

阿蘇 ミヤマキリシマ

いよいよ、ミヤマキリシマの季節到来である。
どこに行こうか?  人混みは嫌だし・・・
ミヤマキリシマの咲くところ、ヒト、ヒト、ヒトの嵐に違いない
万年山も考えたが、きっと多いだろうな・・・?

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阿蘇は噴火警戒レベル2(火口周辺規制)ということもあり、登山禁止ということで、一番人出が少ないのではないか?その他にも気になることがもう一つあったので、阿蘇へと向かった。

ミヤマキリシマ(阿蘇烏帽子岳20190526)No5

昨年の阿蘇烏帽子岳のミヤマキリシマは、最高だったせいもあるのか、気の毒な気もするが、今年は、やや花付きが悪いというか平年並みであった。

ミヤマキリシマ(阿蘇烏帽子岳20190526)No1

それでも、ミヤマキリシマを前にした阿蘇烏帽子岳は、なかなか美しい姿である。

ミヤマキリシマ(阿蘇烏帽子岳20190526)No3

地震の影響で、山肌は結構崩れ、痛々しい感じもするが・・・

ミヤマキリシマ(阿蘇烏帽子岳20190526)No6

補ってあまりあり!  見事なものである。

ハルリンドウ(阿蘇20190526)No1

足元には、ハルリンドウ

マイヅルソウ(阿蘇20190526)No1

マイヅルソウも咲いている。

マイヅルソウ(阿蘇20190526)No3

特に、トイレ横のマイヅルソウは、栄養豊富のせいか、とんでもないぐらいに花盛りであった。

ミヤマキリシマ(阿蘇20190526)No4

完全に、花期終了だとは思ったが、仙酔峡にも寄ってみた。数株を残し、ほとんどが、花期終了、枯れ花であった。

ミヤマキリシマ(阿蘇20190526)No3

それでも、鷲ヶ峰をバックにしたミヤマキリシマは、見ごたえがあった。

さあ、本日の本命へと向かいましょう!!



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2019年05月26日

平尾台 ムラサキに会いに・・・

この2,3年とても気になっていた花がある。
その名は、ムラサキ(紫)

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ムラサキ科、ムラサキ属の多年草で、花期は6~7月、山地や丘陵の草地に咲く。草丈30~70cm程になり、葉は互生し、披針形で長さ3~7cm、粗い毛が多く、脈が表面にへこむ。花は直径8mm程度の白色で喉部は黄色を帯びる。

環境省のレッドリストでは「近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧lB類に指定されているということで、是非、お目にかかりたいと思っていたのだが、なかなか機会がなく、今年こそは・・・と狙っていたのである。
この時期、平尾台は日影がなく、散策するにはとても厳しい環境であり、茶ヶ床周辺やランの丘付近を捜していたのだが、見つけることができなかったのである。無精をするとなかなか結果が伴わないもので、半ばあきらめていたのだが、ふとしたことから、ホタルカズラが、ムラサキ科ムラサキ属の多年草であることを知り、ホタルカズラの咲く山域を重点的に探してみようと思い立ったのである。

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暑い時期には、いつものように茶ヶ床スタート
最高気温30度超えていたもんね・・・

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ムラサキの前に、この時期の平尾台といえば、ツレサギソウだ。

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ほとんど、終盤を迎えていたが、奇麗な株もまだたくさん残っていた。

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下から見上げると、ディズニーに出てくるお化けが、宙を舞っているようにも見える。

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ジャケツイバラは、ほぼ終了、樹の上のほうに絡まっているものがわずかに残っていました。

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ニワゼキショウは咲きだしていた

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他の山では、赤いニワゼキショウが多いような気がするが、平尾台では、青いニワゼキショウのほうが目に付く。地質のせいなのかな?

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奇麗なミヤコグサもめっけちゃった。

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フナバラソウのいかつい姿

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よく見るとなかなか味わいがある。

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気が付くと、大平山・・・ムラサキに出会うことなくここまで来てしまった。
大平山から吹上峠への道は、ホタルカズラロードであり、覚悟を決めて吹上峠へと下ることにする。

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下まで降りると、茶ヶ床に帰るのが面倒だな・・・
神頼み・・・ どうか・・・

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下りだして十数メートル、白い花影が目に入った。
ムラサキ!! 周辺にそこそこ咲いている

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3年越しのムラサキは格別だ。

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花の形は、ホタルカズラに似ている、というかホタルカズラの方が、ムラサキ科ムラサキ属でした。ムラサキの方が、本家本元。

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しかし、白い花なのにムラサキとは・・・
帰宅後調べてみると、根に、シコニンという色素を含み、乾くと濃紫色になるとのこと。かつては紫色の染料として使われていたようです。名はここから来ているようで、根はシコンという生薬としても利用され、栽培もされていたようです。

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古今集にも歌われたり、古文書にも記載があるそうで、かつては北海道から九州まで、日本全土の日当たりのよい草地に分布していたようですが、今では、絶滅危惧lB類とは・・・悲しい限りです。

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最後に、ランの丘へと向かい

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シランに挨拶し、帰路へとつきました。

ムラサキ・・・なかなか可愛らしく清楚な花でした。
ちょっと毛深い葉っぱが暑苦しかったけれど
満足! 満足!!
 




kattenihanakotoba at 07:00|PermalinkComments(0)山行記・花散策 | 平尾台

2019年05月24日

山野の妖精 怒烈 と メッカッチャッタ

久しぶりの山野の妖精シリーズ

妖精
 怒烈

怒烈

ジャカーシィワイ!
最近の世の中、狂っとる!!
あまりにも理不尽な事ばかりやないか?
頭の血管、ブッチギレヤでぇー!!

怒烈(キンラン)

妖精「怒烈」の正体は、「キンラン」です。

最近の痛ましい事故、事件 etc. 本当に、血管がブチギレそうなくらいに頭に来ることばかりです。
世の中どうなっちゃったんだろうか??

「人の振り見て、我が振り直せ」ということわざもあります。他人の非を責めるばかりではなく、自分の態度を見直して、素直になることが必要なんだろうな・・・?
冷静に考えて行動しないと・・・
怒りも治まると、中から可愛いお顔が覗きます・・・


妖精 メッカッチャッタ

めっかっちゃった

あれー? めっかちゃったかな??
見てたの・・・?
怒ってばかりだと、疲れちゃうよね!!

めっかっちゃった(キンラン)

妖精「メッカッチャッタ」の正体も、「キンラン」です。
今年はたくさんのキンランを見ることができました。

キンラン(鬼ノ鼻山20190504)No22

新たにテリトリーとなった鬼ノ鼻山は、最高だったな・・・
盗掘などに会わず、来年も再会できることを祈って
今年のキンラン祭りも終わりかな?



kattenihanakotoba at 07:00|PermalinkComments(0)山野の妖精 | キンラン

2019年05月22日

ギンラン(銀蘭)

ギンラン(銀蘭) ラン科 キンラン属 5~6月

ギンラン1

勝手に花言葉  「控えめな心」「おとなしい貴婦人」

ギンラン2

林内に咲く。高さは10~40cm。葉は互生し、長さ3~9cm、長楕円形で3~6個つける。基部は茎を抱き、茎頂に白色の花を数個つける。萼片の長さ7~9mmで側花弁はやや短く、あまり開かない。苞葉は狭三角形である。

ギンラン(八幡岳20180506)No6

今年は、今までの中で、一番ギンランに会う機会が多かったような気がする。ギンランは、黄色の花のキンランに似ており、花の色が白いところからそれを銀色に見立てギンランとなったそうだ。
キンランが、山野草の王様なら、ギンランは、山野草の女王 ”Queen of wild grasses and flowers" であろう。
ギンランには、いくつか種類があるようだが、私はよく知らないし、あまり多くの種類を見たことが無い。

ギンラン(樫原湿原20190511)No1

判断基準としては、小さくてかわいいギンランと若干大きくて、華やかなギンランの2種類である。

ギンラン(日向岳20170521)No3

樫原湿原で見たものが一番小さく、由布岳で見たものが一番大きいギンランだった。

ギンラン(吉部20160522)No2

初めて、ギンランを見たのは、キンランと同じで、九重の大船林道であった。
九重で初めて見たギンランは、時期が悪くちょっと痛んでいたが、初めての出会いであり、テンションマックスであった。何とも清楚で可愛らしい姿は、格別だ。

ギンラン(八幡岳20170513)No06

あとは、八幡岳、由布岳、男池周辺、樫原湿原である。八幡岳や樫原湿原のギンランは、やや小ぶりで、とてもかわいい。それに比べて、由布岳で見たギンランは、背丈も大きく華やかな感じがして、キンランにも負けないぐらいに華やかで美しかった。多分種類が違うのだろうと思う。九重と男池周辺で見たのは、その中間ぐらいである。

ギンラン(八幡岳20190504)No2

ギンランは、キンランに比べ、なかなかお目にかかれないが、キンランの目を引くような美しさとは違い、清楚で控えめ、上品な美しさがある。

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花言葉としては、キンランの「華やかな美人」と対比されて、「控えめな心」「おとなしい貴婦人」ということらしい。勝手に花言葉としても、これはこのままでいいような気がする。

kattenihanakotoba at 07:30|PermalinkComments(0)勝手に花言葉 | ギンラン